鹿児島県の福山というエリアで有名なのが黒酢。
玄米を酢酸発酵させたもので喉を突くような酸味が特徴の超スーパーハイパー健康フードとして有名です。
数ある黒酢の会社の中でブルワリー事業もおこなっている桷志田(かくいだ)ブルワリーに行ってきました。
全国初の黒酢レストランである黒酢の郷「桷志田」がある建物にブルワリーもあり、黒酢の発酵が行われている壺畑もみることができます。
数ある黒酢の里からなぜ桷志田を選んだのかというと当然ビール醸造もしていることが理由ですが、サワーエールを追い求めてみると「酢酸のような」という官能表現をよく使うので、もしかしたらもしかしてここのビールにはとんでもない秘密があるのではないかと。そう考えたわけです。
まずは様子見で取り合えずビールを飲んでみました。
サワーがもしかして??熟成スタウトがもしかして??
とりあえず全部くださいってことで
飲んでみたのですが、普通に綺麗につくってらっしゃる。しかも値段が安い。レストランとしても近所に認知されているので、ビールが飲める場所というより食事をしにきている方が多かった印象です。
なんにせよビールだけをふむふむ言いながら一人で飲んでるのってちょっと目立つ変なやつなんですよね。
うん。ビールは普通に美味しかったです。
が、黒酢の技術(というか微生物とかの知識的なもの)を生かしビール醸造にも!というのは期待していたビールの酢酸発酵だとか壺エイジングとかそういったものではどうやらなかった様子。
もうちょと詳しいことを聞こうと思って工場見学を申し出てみました。
まずはレストランで配給できる分を!くらいの規模感ですが、外部からの注文を考えるともう少し拡大したいとのこと。
対応してくれたのが入社まもない青年だったのであまり詳しいことは聞けなかったのですが、いわゆるブルワリー見学で教えてくれる基本的なことは色々教えてもらいました。
とりあえずお土産コーナーでも見に行くかってことで売店をウロウロしながら色んなフルーツ黒酢や熟成黒酢の試飲をしていたところ、売り場のおばちゃんに捕まってしまい、ただお話だけするのかと思ったら、どうやらお偉いさんのお母さんだったようで、色んな人紹介するわよみたいな流れになってしまって…
料理長と醸造責任者の方にお話を聞く流れになってしまいました。
レストランの4人席。隣にはおばちゃん、向かいには醸造長と料理長。
まるで面接です。
というか本当に面接みたいな話にもなってました笑
どうやらビール部門も好調であと一人は絶対に人材が欲しい。売り場も人材が欲しい。ご結婚は?移住は?みたいな話本当にしましたからね。
それはさておき。
黒酢の壺を使ったエイジングであるとか、酢酸菌がそもそもダイレクトでビールに応用できるものなのか。突っ込んだ質問をしてみました。
どうやらチャレンジはしてみたらしいのですが、なんかイマイチであまりリスキーなことはできないのが現状ですねということで、今後壺エイジングなどの可能性はちょっと薄く感じましたが、何かのきっかけで変態エイジングに舵を切る可能性だってないとはいえません。
まずやってみたいとわからないことが多いし、黒酢の壺を所有しているのもこのエリアの人たちだけなのでどうにかして上手いことできてしまったその時には真のジャパニーズスタイルの誕生と言ってもいいのではないのかと、そういう夢みたいなことを考えられるのも実に興奮します。
リスク覚悟、税務署対応覚悟で失敗しながら新しいことにチャレンジしてみてほしいのが酸っぱ党としての願いです。
とんでもない古いラベルありましたよって言ったらどこにありました!?って感じでもあるので全ての壺を把握するのは難しそうです。仕込んだ人が完成を待たずに退職するとか普通に考えられる長い時間の熟成。ボトリングしてからの熟成ではないですからね。ウイスキーとかもそうですけど、ここは誰でも簡単に見学できる場所に平然と置かれている壺。動物被害とか大丈夫なのかな。
いやぁ知らなかった文化もあるものだと、普通に訪問できたことが嬉しかったです。
ちなみに福山周辺は海と山がすぐそばにあるので猪なんてよく出ますよとは聞いていたのですが、まさかレストランの目の前にいるとはね…
あと何年後かに180度方向転換をしている可能性もあるのでまた必ず訪問してみたいです。対応してくださった皆様本当にありがとうございました!
外部リンク:KAKUIDA BREWERY公式サイト