ブリュワリーの名前+ビールの名前=???

こんにちは。beergeek.jpです。

みなさんは普段飲むビールをどのように選び、どのように解釈していますか?

必ず注文している定番スタイルビアがあるという方もいれば、とにかく色んな種類のビールを飲むという方もいると思いますが、今回はビールの選び方についてネーミングという視点からのお話をしたいと思います。

※文章をわかりやすくするために実在の団体名などを多用しておりますが、ひいきや批判をするためではありませんのでご理解下さい。個人的見解のみの文章です。一般的なビール知識として正しい情報でないということも合わせてご理解下さい。ビールを選ぶ上でのヒントにして頂ければ幸いです。

 

 

さて。ネーミング、つまり名前です。

クラフトビールは日本の「とりあえずビール」とは全く違うお酒文化なので、味わいだけでなくどこの会社が造っているなんと言う名前のビールであるかという情報も非常に重要なのであります。

そしてこのネーミングの法則を知ると美味しいビールやブリュワーのこだわりなどが見えてくるものです。

みなさんは何社くらいのブリュワリー、何種類くらいのビール銘柄をご存知でしょうか?

 

まずビール会社の名前には大きく分けて3つのパターンがあります。

 

・地域名を冠したブリュワリー

Sierra Nevada、横浜ビール、Columbia Riverなど

 

・人名(主に創業者)を用いたブリュワリー

ベアードビール、ブリマーブリューイングなど

 

・独自のネーミングセンスのブリュワリー

THRASH ZONE、Tired Hands Breweryなど

 

 

言われてみればなるほどといった情報ではありませんか?

でも名前なんてそれぞれなんだから別にどうでも良くない?

 

はい、その通りです。

 

どうでもいいと思います。

 

ただ、アメリカを中心に日本国内でも数多くのビールを飲んで研究してきたからこそ気づくこともあります。

 

地域名を冠したブリュワリーにはまずその地域に縁がなくてはいけません。北海道で「東京ビール」として創業してもアレ?ですよね。地元をアピールしたい、地元の有名な商店街をビールという商品で力づけたいなど、近所の人ならば誰もが知っている名前を付ける事で地域にとけ込みやすい印象があります。過剰な宣伝をしなくてもすぐに幅広い世代に浸透するでしょうし、特に日本人の気質の面から見れば圧倒的な安心感に繋がります。

その反面、ビールそのものについては平均的で誰にでもなじみのあるスタイルのビール醸造に力を入れている傾向を感じ、唯一無二なビール醸造をしている場所は比較的少なく感じます。

周知されている名前を冠するということは、幅広い人に認めてもらえたほうが良いと考えているのかマニアックなことに挑戦するよりはまず安定的な営業をすべきという理念でもあるのかな?と感じることもあります。もちろん悪い事ではありません。

アメリカにおいてはクラフトビールの中でも比較的大きな会社や、その地域で最も古い醸造所が地域名を用いたブリュワリーを運営している事が多々あります。

 

 

次に人名を用いたブリュワリーですが、これには作り手の責任を感じます。俺のビールだ飲みやがれ!的なオラオラ思考もあるのかもしれませんが、自分の名前を付けたのであれば如何なる商品においても製造を失敗することはできませんよね。客に媚びた営業ではなく自ら自分のビールはこういうものだ!と発信するだけのポテンシャルがあるブリュワリーがこのネーミングスタイルをとっている様にも感じます。

しかし!そのビールが美味しくなければ…ブリュワリーの名前の由来になっている人への信頼はガタ落ちです。あのビール会社…ではなく、あの名前の人の言う事はあまり信用できないよ…とうわさ話もたったりして。

あくまで想像ですが、こういう事態も起こらないとは言えないので実にリスキーな選択だとは思います。その反面自分の名前を後世に残せるという意味では魅力的ですよね!尊敬します。

 

 

そして独自のネーミングセンスのブリュワリー。なんといってもその自由度が魅力!ビールは好きだけど釣りも好きだから釣りに関した名前付けちゃえ!など、発想も歴史も様々です。マニアックな名前を付けてしまうと初心者にはハードルが高くなり、まず手に取る段階で迷いを生じさせたりする場合もあるかもしれませんが実際においしいビールを造っているなら噂はたちまち広がりますし、なじみのない名前も浸透します。なぜそのネーミングにしたの?という一歩踏み込んだ興味を持つ事だってできます。

独自のネーミングブリュワリーの全てがとはいいませんが、ビールを表現する方法の多様性を理解し、アーティスティックなビールを造っている多くのブリュワリーはこのパターンが多い様にも感じます。

 

 

文字で説明しても何やらわかりにくい点もあるかもしれませんが、まずどの会社のビールをチョイスする?と悩んだとき、この3パターンを思い出してみて下さい。

前フリは以上です。

 

 

 

問題はビールの名前です。銘柄名というものです。

ブリュワリー名パターンとの共通性をもたせるために3パターンに分類するとすれば…

 

・ビールのスタイル名のみ(先頭に醸造所名が入っているものもこれに同じ)

IPA、ブラウンエール、スタウトなど

 

・ビールのスタイル名+オリジナリティー

West Coast IPA、中目黒ビター、PUNK IPAなど

 

・スタイル名を表記しない完全オリジナル

HOP DEICIDE、マッドサイエンティスト、水曜日のネコ、Pliny the Elderなど

 

 

以上のパターンが考えられますが…このビール銘柄のネーミングこそが、ブリュワリーがビールにこめた想いがどれだけのものかを計るものさしになっているといっても過言ではないかもしれません。とくにこれからビールを沢山飲む人には是非とも意識してほしいポイントです。

 

 

まず、ビールスタイルのみの銘柄。

日本ではかなりおなじみですがアメリカでもよくあるパターンです。スタイル名が一発でわかってとても優しいですね!

でもそれだけです。あとは何もありません。

スタイル名は教えてやった!あとは飲め!みたいな職人気質を感じなくもないですが、ビールがどれだけ自由で面白いカルチャーかを伝えたくてもこの手のビールには興味がなかなか出ません。

ビールに味以外のどういう背景を感じてほしいの?と問いたくなってしまいます。

ずば抜けておいしいビールだったら世に広めたいですが、IPAがおいしいよとしか言えないのも寂しい気がします。

 

 

ビールスタイル名+オリジナリティー

スタイルのわかりやすさに個性が追加されたもので、一番広く使われているネーミングだと感じます。

中にはオリジナリティー部分のインパクトが強過ぎて異常に目立つようなものもありますが、平均的に一番手に取りやすいパターンなのではないでしょうか。

同じスタイルのビールを提供している他の会社との区別にもなるし、スタイルの説明もあるので、ビール選びはまずここからといったところです。

 

 

最後にスタイル名すら表記しない完全オリジナルネームのビールについて。

どうか皆さんにはこのパターンのビールとたくさん触れ合ってほしいと思うのです。ボトルのどこかをみればスタイルが書いてありますし、お店で注文してもスタイルを尋ねれば教えてくれます。

銘柄名を見てもどんなビールかわからない。人見知りの人がバーでこんなビールに遭遇したら避けてしまうのは必至かもしれませんが、そう名付けたからには醸造者のこだわりが必ずあるのです。

作品にタイトルを付けるということってビールの世界だけではないですよね。ミュージシャンだって曲に名前を付けます。ビールスタイルのみの銘柄名というのは言ってしまえば曲のタイトルに「1曲目」とか「ジャズっぽい曲」って名付けるくらい面白みに欠けると思いませんか?

自分がビール醸造に向き合って、どういうイメージをしてもらいたくて、どういう価値観を感じてもらいたいのか。このスタイルでネーミングを付ける人のビールには個性があり、応援したいな話題に出したいなと思わせてくれるものが実に多数あります。

日本では圧倒的に数が少ないです。なぜビールのネーミングに己のこだわりを詰め込み過ぎるくらいしないの?と感じます。

 

 

結論、個人的にいちばんオススメしたいのは独自の名前のブリュワリーが造る銘柄そのものにちゃんと名前があるビールです。こういう商品が、クラフトビールが実に面白いカルチャーであると思わせてくれる大きな要因にもなっていると思うのです。

例外は多く、全ての良いビールがこの条件を満たしているわけでは決してありませんが、少なくとも独自の価値観を持ち合わせたブリュワリーが大多数の支持を得られるかどうかを先行して考えるのでなく、本当に美味しいビールを醸造するポテンシャルがあると言える場合が非常に多いと思いますし、その価値観が日本でも広まればいいなと思っています。もっと色んなアプローチしていこうよ!ってな感じです。

 

大手ビール会社がクラフトビール業界に参入してきましたが、もし日本が広告による知名度であったり、みんなが知っているものが正しいという価値観がある国ならば大手ビールが造る(今はクラフティなどと揶揄されている)ビールが真のクラフトビールと定義されてしまいますよ。

 

で、ちょっと気になったので実際大手ビール会社がリリースしているクラフト銘柄はどれに当てはまるか検証しました。

 

・サントリー銘柄

PALE ALE、BROWN ALE

 

・アサヒ銘柄

DRY SAISON

 

・サッポロ銘柄

柑橘香るペールエール

 

サッポロはかろうじてスタイル名だけではないにしても個性はあまり感じません。サントリー、アサヒ(ドライはもはやアサヒのものか…)は論外。やはり大手が大多数を相手に商売をはじめるとこういう名前のビールだすよねって予想できた範疇内です。

 

問題はキリンです。

 

・キリン銘柄

496

on the cloud

In the Dark

 

これです。一目見てもどんなビールかわからない、でもその先を知りたくなるこの感じ。

さすがいち早くクラフトビールに目をつけヤッホーブリューイングを買収し、クラフトビールへの徹底的なこだわりをみせているなと感じます。

大手ビール会社のビールは美味かろうが推奨はしませんが、今回書いたビールのネーミングの法則を持ってすればキリンの銘柄を否定する理由がありません。

小さい企業、クラフトブリュワリーのほうが圧倒的に自由度が高く、こだわりを前面に出す事ができるのに大手に出し抜かれたんじゃないですか?とすら思ってしまっています。

日本の大手ビール会社は宣伝力や資金力、技術力で小さいものを蹴落とす力を常にもっているのであろうスタンスが好きではないので支持しなべきだと日頃から訴えていますが、美味しくないクラフトビールなんてもっと支持してません。おいしいクラフティビールのほうがまだマシです。

 

小さいからこそ出来る挑戦の余地は沢山あるとおもうのです。

 

大手ビール会社は模範的なビールを造ることはできても、マイクロブリュワリーでないと造れないような個性のあるビールを企画することはまだ難しいはず。そう信じています。

 

大手がサワーエール造りはじめたらもう日本のクラフトビール業界終わりますよ。

 

どんな状況であれ、徹底的に個人レベルで味を模索することができ、大きなしがらみに囚われない職人をサポートしたいと思います。

だからもっと味以外の面でも楽しませておくれ~と思うのです。

 

 

 

特にラベルのアートワーク!!!!日本の多くのラベルださ過ぎ。

あ、オチが変わってしまいましたね。

では。

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