CRAFT BEER IN BEIJING

こんにちは。beergeek.jpです。

先日ビールと直接関係のないお仕事で中国北京に行って来ました。

事前情報によると北京でもクラフトビールシーンがあるとのことで暇な時間を見つけて調査をしてまいりましたので記事にしたいと思います。

本当はアメリカの各都市の情報をこうした長文ブログで書くべきなのですが…情報があまりに多くて…。

 

 

と、言い訳が終わったところで早速レポートしたいと思います。

結論から言うと、今回は一軒のブリューパブにしか行っておりませんので、この記事が中国クラフトビールシーンの全容ではないことは予めご了承下さい。記事の量を多くするために街にあふれている大手ビールについてもすこし書きたいと思います。

 

空港に到着してまず最初に食事。到着したのは中心地区だけどあまりビルが建ち並んでいない日本で言うところの吉祥寺とか中野あたりの雰囲気のある場所。

あたりは日本では見慣れない漢字の看板が立ち並び、若い人が起業したであろうコーヒー屋などを除いてはほとんどが中国伝統的な雰囲気を残した店舗が数多く見られました。

よくあるタイプの人気中華料理屋でまず飲んだビールがこちら。

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燕京ビールという1980年創業のわりと新しい会社のどこにでもある有名銘柄で、いわゆるアサヒスーパードライやキリン一番搾りのような国民的スタンダード商品。味の方はとうてい満足いくものではありません。

低アルコールに加え、保存状態もよくないので無理矢理冷やして飲むくらいがちょうど良い感じ。

そしてコンビニで売っているビールはこちら。

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バドワイザーから、中国最古のHARBINBEERに加えドイツのインポートビールも幅広くラインナップ。値段は日本円換算で100円~250円(ベルギーインポートはもう少し割高)で日本のほうが少し高いかな?くらいの価格帯でした。

カクテルやチンタオビールもあるなかでヒューガルデンやリンデマンスクリークが置いてあったのは少し驚き。日本と同様にベルギービールを引っ張っている業者がいるようで、街中にはベルギービアカフェのようなお店も数多く見られました。

 

 

さて。クラフトビールの話に移ります。

今回目を付けたブリューパブはSlow Boat Brewery Taproom。

メインの通りから一本外れた小道を歩くとそこに店舗はあります。

海外旅行において裏路地は危険と教えられている一般旅行者は絶対にたどり着けない場所じゃないかな。

大通りに面した場所は家賃が高いのか、ブリューイング設備を置くための理由なのか色々考えましたがそこまでの事情は知りません。とにかく薄暗い小道の先にあります。

ドアには英語でSlow Boatと書かれていて安心感があります。

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中に入るとそこはアメリカ。

日本でもクラフトビールバーに行ってる方ならば何の躊躇もせず居座ることができるスタイルの店内です。

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こういう飾り気のないただビールを楽しむだけの空間って好きです。

 

聞くところによるとオーナーもヘッドブリュワーも北京在住のアメリカ人。彼らがアメリカのどこ出身なのかはとても重要な質問だったのですが店員は知らないとのことで、訪問時間が夜遅くだったのでヘッドブリュワー本人と話をすることは出来ませんでした…。

タップ数は20。グラウラー販売もできるようにオリジナルステンレスグラウラーも常備。中国の法律事情はわかりませんが、少なくとも外で飲んでいても平気だったのでグラウラー販売も問題ないのでしょう。

 

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この黒板、なにをもって青い線でビールが区切られているのか気づいた方はきっと上空地図に興味のある人。小さく通りの名前やタップルームの位置などが書かれていて、ちょっとした遊び心を感じます。

 

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シーズナルビールも豊富でその時によって色んな楽しみ方ができるように工夫されています。もはやブリュワリーにおいてシーズナルビールがないなんて考えられませんね。

 

値段に関しては中国元で35〜45元ほど。日本円で700円〜900円程度といったところです。中国の物価から考えたらすこし高い印象はありますが、他の飲食物との格差を考えると日本と殆どかわりない割高感です。

 

店員は中国人スタッフと白人スタッフがシフト制で数人いる模様。客層は中国人2割、8割は欧米系の外国人といったところでやはり日本と同じ現象。ビールというもともとが欧米欧州文化のものは造り手も飲み手も彼らがリードしているのでしょう。私自身欧米文化崇拝者なのでかなり偏りのある持論を持っているのですが、最近は地元の人間による地元の人間のための情報発信を応援したいので輸入ビール万歳とはあまり思わなくなっている傾向があります。造り手がどこの国籍の人でも、いくらアメリカンスタイルのビールを醸造していても、この土地で造られているという地元のビールなんだと自信とプライドをもってほしいものです。

それがそもそも欧米文化の典型的思考かとは思いますがね。

 

そして、ここでひとつ重要な事実。

アメリカンスタイルビアバーとはいえ相手が中国人スタッフでもあそこまで会話に困らず過ごせるとは思っていませんでした。中国人ってグイグイ前に出てきてあまり遠慮がないというか、日本人の基本性質とは相反するイメージがありましたし、日本語も知らないでしょうし少しくらいは壁を感じるかなと思ったのですが、そういうことは一切なく。

なぜでしょう。

そう。それは英語力。

基本的にみんな英語が話せます。もちろん英会話ができる厳選されたスタッフが採用されているのかもしれませんが、それでも会話が円滑です。

ビールとはちょっと関係ない話ですが、日本人が他の国に比べて特に英語が苦手なのは勉強量の問題でもなんでもありません。積極性です。話そうとした時に恥ずかしがったり、伝わないなら話さなくてもいいやという気質が問題であって…。

そう考えると遠慮のないスタイルというのは英語対話力への向上には欠かせないものなのです。

日本のビアバーでも色んなスタイルがあり、外人をスタッフとして雇ったり、もともと英語の出来るスタッフを雇ったり、スタッフががんばって英語を覚えたり。なかには英語全く受け付けないような人もいたような?と様々です。

ビールは世界共通言語。言葉が通じない同士でも楽しめるものではありますが、最低限のビール英語を全スタッフが話せないと世界的に日本のビールシーンを知らしめるためには問題があるなと中国に言って改めて気づかされました。

 

話がそれましたが、肝心な味の話。

ものによってうまかったりまずかったり。

これに関してはアメリカでブリューパブを訪問したときと感覚は一緒で、ここSlow Boatは100点中78点くらいの自己評価。

しかしながらインペリアルバニラスタウトとかウエストコースとスタイルIPAなどは普通にアメリカで提供されているくらいの良いクオリティだったと思います。そもそもこういったアメリカンテイストのビールがいつでも普通に飲める環境が良いですよね。

安定のサンプラーセットも注文。

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フードはハンバーガーを中心にソーセージやフライドポテトなどを中心によくある感じで、何かの賞を獲得したであろう盾が飾ってありやはりアメリカ人が手を加えているんだなと。

平日は毎日なんらかのイベントをやっている模様でいつ何時に訪問しても面白そうでした。レディースデーとかね。

 

というか…正真正銘の北京クラフトビールシーンを知るなら中国人オーナーや中国人ブリュワーがいるお店に行ったほうがもっと面白いレポートができたのかな?って感じですよね。もはやアメリカと一緒です。

 

店を出る時にある冊子を頂いたのですが、内容に驚愕。

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この赤いマークがブリューパブの場所で黄色いマークがバーらしいのですが、ブリューパブかなり多くないですか?

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中国ビールシーンがここまで発展しているとは思いもしませんでした。ロンリープラネットさんさすがのクオリティです。

 

ここからはまたちょっと余談で、本来の目的地であったライブハウスにおけるビール事情をすこし。

やはりおなじみ大手ラガービールが勢揃い。チンタオ、ハイネケン、バド。

そのなかになんとデュベルやシメイが置かれていたのはちょっと驚きで、すでに日本を超えてますね。地元のクラフトビールでもおいていてほしかったですが、それはまだまだのようで。

ちなみにデュベルはハングルと漢字がまじったシールが貼られていました。

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そして楽屋ではアーティストへのケータリングとしてチンタオビールがケースでドカンと置いてありましたが、大手文化を嫌いスモールカルチャーをサポートすることに意義を感じているのでSlow Boatから購入したボトルDIPAをステージドリンクとして数百人の観客の前で飲んできました。

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うーん。神々しい。

 

中国ではツイッターやフェイスブックやグーグルまでもが閲覧規制されていたりするので、若者が異国の文化に触れるにはこのネット社会においてかなりの壁があるものの、それでも世界のシーンを知り、追求する人間は多くいます。

ネットニュースなどでよく見かける日中、日韓の仲の悪さやイメージの悪さなどが取沙汰されているニュースなんかに振り回されることなく、いざ足を運んでみると様々な驚きや発見があるもの。

正直、ビールと音楽に関してはアメリカに行った時よりも刺激が強かったです。

みなさんも是非訪問してみてくださいね!

では。