セレブビールという名の違和感。

こんにちは。beergeek.jpです。

近年、セレブビールというものが世の中には存在します。

実はこのワードで調べると…あるビールしかヒットしないのですが、そのビールがどうというわけではなく…一般的な酒屋で「値段の高さや高級感」を売りにしているビール全般についてのお話をしたいと思います。

日本ではたったの1種類のビールしか飲まれてないんだぜ!とか…クラフトビールはたくさん種類があるんだぜ!とか。ビールについての知識が豊富な方が非常に多くなりました。

そういう方にはもう周知の事実ではありますが、ビールというものには100を超えるスタイル分別があり、その嗜好性の高さはワインにも匹敵します。

ですが固定観念や広告が人気や売り上げやトレンドを左右するここ日本では、「ワインと同じように」という高級思考を売りにだすようなビールが出てくるのは如何なものかと思うのです。

ビールとワイン。それぞれの評価ポイントに大きな違いがあります。

良いワインにとって大事な事は、ぶどうの産地であったり、ぶどうの出来映え、それが何年につくられた商品なのかという事。

それに対してビールに大切な事は、レシピ通りにまず水を調整することや、過程のひとつひとつを常に見守ること、そして出してはならない匂いを出さないように殺菌などにも気配りをすること。

これってワインも一緒でしょ?と思われると思いますが、その通り。

つまりビールというものはスタイルによっても異なりますが、ワインほど産地や原料の質による細かな差を気にしなくとも美味しい物がつくれるのです。

おいしいビールをつくるにあたって一番大切なものは、ビールをつくる人間の知識です。

極端な言い方をすれば、どのような設備を用いても、原料の品質に100%の満足がいかなくても美味しい物はつくれます。

つまりです。

ビールというものは醸造する人間がしっかりしていれば、それがどこの国で造られたか、どんなすばらしい原料をつかったのかはあまり気にするところではありません。

最終的には味が一番の評価ポイントです。ワインもそうなのでしょうけどね…。

簡単にではありますが、これがビール製造。ビールはサイエンス&アートなのです。

では何をもってビールに高級か否かの評価がつくのでしょうか。

その答えをひも解くヒントとなるであろう要素…それは飲み頃。

ワインにもビールにもヴィンテージというものが存在して、何年間エイジングされているのかを問われる商品もあるのですが…世の中で飲まれているビールのほとんどはなるべく早く飲むにこしたことはありません。

ワインの場合、何十年も前のモノでも出来の良い物は年々価値が増し、値段も上がるなんてこともあるとは思うのですがビールに関してはごく一部にすぎません。

そのごく一部の貴重なビールの正体を知っている方ならば、誰もが知っているマーケットの入り口で冷蔵庫にも保管されず、売り場を派手にデコレーションされた輸入ビールが高級ビールでも何でもないことにはお気づきかと思います。

高級なビール、つまり味はさておき値段が高いという意味で価値のあるビールというのは普通に考えて少量生産で希少価値が高いもの、エイジングが許されているスタイルのビールくらいなもので一般の方が目にするビールのほとんどは高級でもなんでもないという結論に達します。

ただ…コンビニなどで発売されている缶ビールが300円前後に対して、1000円も2000円もするビールがあればそれは一般的に高級品なのでしょうけど…。

なぜ高級品という言葉にこれほどに嫌悪感を抱くのかというと…

一般的に知られているビールというものの相場はせいぜい200円~300円。

しかしその数十円の差が売り上げの決め手となってしまうくらい日本人の財布の紐は堅いのです。

そうなれば一杯飲むのに1000円も払っているクラフトビールドリンカーはよほどの金持ち…はたまた変人なのかもしれません。

でもそれは日本においてビールに多種の味わいがあるという世界基準の考え方が一般的でないから他ならないのです。

もちろん酒税法の問題や、より安くビールを提供することをモットーにしている大手会社の努力もあってこそ、コストを抑えて居酒屋で飲み放題ができたり100円そこそこでビールっぽい飲料が飲めたりすることは大変素晴らしいことなのですが…

ビールというものは多種のスタイルがあれどどのお酒よりも気軽に楽しむ事ができるポピュラーな飲み物だということをクラフトビールが流行りかけている今だからこそもっと知ってもらわないといけない現状だと考えます。

「とりあえずビール」以外のビールが「特別なもの」であってはいけない。

そこで1000~2000円で「どこの酒屋でも買えてしまうビール」を「高級扱い」してしまうとビールに対してのハードルがあがるとは思いませんか?

そのビールが普通より高いから高級なのかどうかではなくて、美味しいのか美味しくないのか。値段に見合っているのかどうか。

それが一番大切なことだと思うのです。

販売店の人間が商売抜きに味を判断して本当に美味しいビールを推薦してくれるならよいのでしょうけど…。

レコード屋になにか良い音楽を求めて足を運んでも、このコーナーにあるCDはマニアが聴く音楽だからキミのようなガキんちょにはみんなが買ってる○○っていうアイドルのCDなんてオススメだよ!なんて言われてしまったら悲しいでしょ?

ひとつのキッカケがあるものに対する興味そのものを阻害することになることもあると思うんです。

高級ビールという言葉で人を一歩遠ざける前に、美味しいビールとしてアピールしてほしいものです。

もちろん言うまでもなく、値段、価値、美味しさすべてがハイクオリティなビール…まさに高級品は存在します。

それを平然と買うようになっていればこの記事に書いてある事が別にどうでもいいことだとわかって頂ける事でしょう。

美味いビールを飲むために一歩踏み出しましょう。

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